三段まで順調に進んでいても、四段でつまずく剣士は少なくありません。合格率も三段までに比べて下がり、ここで停滞する人が多いのが実情です。
では、なぜ四段が難しいとされるのでしょうか?
その理由は、四段が「初級の総仕上げ」と呼ばれ、新たに中級者として
自己の確立を図ると共に、技に対して自信を持てる剣道を目指すからです。
本記事では、四段審査の難しさを整理し、
突破のために必要な心構えを解説します。
四段審査の位置づけと合格基準
剣道の規則によれば、四段は 「剣道の基本と応用を修熟し、技倆良なる者」 に与えられます。
初段 → 基本
二段 → 基本
三段 → 基本
四段 → 基本+応用
つまり、四段では「正しく打てるか」だけでは足りず、応用といった要素が強く評価されます。
四段審査の難しさ
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「技倆」だけでなく「品位」が求められる
技の冴えだけでなく、立ち居振る舞い、落ち着き、気位まで含めて評価されます。 -
審査員の視点が厳しくなる
三段までは「できているか」を見るのに対し、
四段からは「本当に身についているか」が問われます。 -
合格率の低下
三段までは合格率が比較的高いのに対し、四段から一気に下がるため「壁」と感じる人が多い段位です。
東京都や神奈川県では、
剣道四段の合格率は、30%から45%の範囲であるとされています。
具体的な合格者数は、受審者数に基づいており、合格率は地域や年によって異なることがあります。
よくある不合格パターン
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手数が多い(打ちすぎると例え有効打突だとしても落ちてしまいます)
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打突後に身体が崩れてしまう(品格のある立ち合いを目指す)
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前に出ない(例え半歩でも前に出る様に)
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残心・礼法や態度が雑(集中力が途切れることの無いように)
👉 特に「礼法や残心の不足」は自分では気づきにくい不合格要因です。
突破のための心構え
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「勝ち負け」ではなく「正しい剣道」を示す
審査は試合ではありません。一本に至る過程、姿勢、気位が重視されます。 -
攻めの主導権を握る意識
相手に押される剣道では評価されません。
半歩でもスッと前に出て、自ら仕掛ける心構えが必要です。 -
残心と気位を徹底する
打突後の姿勢や剣先の効かせ方が、審査員に「本物の剣道」と伝わります。 -
礼法を大切にする
入退場、立礼、目付けにまで心を配りましょう。品格ある所作は大きな加点要素です。
稽古での具体的対策
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模擬審査を行う
道場で審査形式の立ち合いを行い、実戦感覚を養う。 -
映像で振り返る
自分の立ち合いを撮影し、姿勢や残心、礼法まで確認する。 -
攻め合いを意識した稽古
ただ打つのではなく、相手を攻め崩してから打つ習慣をつける。 -
礼法と所作を指導者に確認してもらう
自分では気づけない癖を修正する。
名言からのアドバイス
四段審査は、技だけでなく心の成熟が問われる段位です。
そのことを端的に表す名言をいくつか紹介します。
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「技は心に始まり、心に終わる」
剣道の技は心の在り方によって生まれ、最後まで心によって完成します。 -
「剣は心の鏡」
打突の冴えや姿勢は、その人の心をそのまま映し出します。 -
「正しい心が、正しい剣を生む」
心のあり方が剣の軌道を決める。心を正すことが技の正しさにつながります。 -
「形は心を映し、心は形を整える」
形(姿勢・所作)は心の状態を表し、心を整えれば自然に形も整います。
剣道の技は、ただ身体を動かすだけでは生まれません。
すべては「心」から始まり、そして心で終わるのです。
技を磨こうと思ったら、まず自分の心と向き合うことが大切です。
打突の冴えや姿勢の美しさは、その人の心の状態をそのまま映し出します。
「剣は心の鏡」と言われるように、心が落ち着いていれば技も自然と冴えますし、心が乱れていれば、どんなに形だけ整えても不安定になってしまいます。
だからこそ、「正しい心が、正しい剣を生む」と言われるのです。
心がまっすぐであれば、剣の軌道もまっすぐになります。
技の正しさは、心のあり方にかかっているのです。
また、形――つまり姿勢や所作も、心の状態を映しています。
「形は心を映し、心は形を整える」という言葉の通り、心が整えば動きも自然と美しくなりますし、形を意識することで心も引き締まっていきます。
剣道は、技術だけでなく、心の修練でもあります。
打つ前の静けさ、打った後の残心――そのすべてに、心が宿っているのです。 ですから、技を磨くことは心を磨くことでもあり、心を整えることが技の深さにつながっていきます。
焦る必要はありません。
少しずつ、自分の心と向き合いながら技を育てていきましょう。
その積み重ねが、きっとあなたの剣を、そしてあなた自身を、強く美しくしてくれるはずです。
まとめ
四段審査は「技量+心構え+品位」が問われる段位です。
三段までの「できる剣道」から、四段では「見せる剣道」「示す剣道」への転換が必要となります。
不合格の多くは、技術よりも礼法・残心・攻めの主体性といった基本姿勢の不足です。
日頃の稽古の中で、ただ技を磨くだけでなく、「見られている剣道」を意識しましょう。
四段は大きな壁ですが、同時に自分の剣道を深める最高の機会です。
心を整え、正しい剣道を積み重ねることが突破への最短ルートとなります。
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