こんにちは、しろです。
今回は村山早紀さんの『百貨の魔法』という本を紹介します。本の表紙の美しさを見ただけで素敵な本なんだろうなーって判ってしまうような本なんです。是非手にとってみてください。
【感想】村山早紀の『百貨の魔法』あらすじ
もうすぐ閉店してしまいそうな星野百貨店のお話です。50年前から創業しています。
高級で美しく、地域のみんなに愛されているお店だから、みんながそこを訪れることが誇りに思えるような場所なんです。
エレベーターガールの松浦いさなは、元気よくエレベーターに入ってきた男の子のお客様に、
「この百貨店には、『魔法を使う猫』がいるって、ほんとうですか?」
と聞かれます。
「金目銀目の白い子猫が、気がつくと店内と歩いている。いつのまにか、誰かのうしろや足元にいる。はっとすると、光のような速度で走っていってしまうっていうんです。流れ星みたいに。
神出鬼没のその子猫を見つけて話を聞いてもらえれば、願い事をなんでもひとつ、きっと叶えてくれるっていうんです。不思議な猫は魔法を使う。ええ、この街じゃ有名な話ですよ」
『百貨の魔法』村山早紀著 P.17より
謎多き新人コンシェルジュの行動やイケメン宝飾品売り場のフロアマネージャーの待ちに待っていたこと。果物の木が植えてある花壇のお話などのエピソードが素敵な物語を織りなしています。
お客様達も含め、テナントのスタッフ、創業者のみんなもあたたかくこのデパートを守ろうとしています。
そこに魔法の白い猫ちゃんがいつも現れるんです。
この表紙の上に飛び跳ねているかのような猫ちゃんが魔法の白い猫です♪
この星野百貨店で買い物がしてみたい!ここでご飯をたべたい~
【感想】村山早紀の『百貨の魔法』
魔法を使う猫を見かけて慌てて願いを言うわけではないんです。
流れ星のように。。。。。。
それぞれがボソッとつぶやいた本音の願いを、
誰かが口に出した瞬間に、その魔法の猫は居合わせるんです。
願いは口に出さないといけませんね。
口に出さないと叶わないんですね。
そするとみんなにも白い魔法の猫は、現れるということなのですよね。
わたしにも、本音の願いってなんでしょうね。
なりたいことをしゃべっていても実はそれは本心からではなく真実の願いではないってこともあるんです。
「お金持ちになりたい」
⇒
「なんで?なんでお金持ちになりたいの?」
⇒
「今まで親に苦労を掛けてきたから親孝行がしたい」「だからそのお金でプレゼントがしたい!」
という本音が隠されているかもしれません。
そうしたら、願いは「お金持ちになりたい」ことではなく、「親孝行」なのだから、お金?大金が入る前でなくても「親孝行」はできるはずなんです。
あるいは、
「お金持ちになって親に認められたい!」
「親に私のことを誇りに思ってもらいたい!」
なんてこともあるかもしれません。
この本のなかのイケメン宝飾品売り場のフロアマネージャーさんも、
「そうか、わたしは、母さんに会いたかったのか。母さんをここで待っていたかったのか」
と目に涙を浮かべながら気が付きます。
自分の本音ってハッ!と気が付くものなんです。
自分の心の中にしまいこまれていた素敵な願いってなんでしょうか。
それに気が付くと良いことがあるかもしれません。
それに気が付いたら、そっと口に出してみてください。
この本のように感動できる物語が動き出すかもしれません。
【感想】村山早紀の『百貨の魔法』のまとめ
村山早紀さんは、児童文学作家さんだったのですね。そういえっば、『シェーラひめのぼうけん』シリーズは読んだ記憶があります。
公民館図書室に勤めていたときに。。。。。仕事の合間に♪
面白かったなーまた読み返してみようかな。
そして、村山早紀の代表作『桜風堂ものがたり』が、2017年本屋大賞にノミネートされて、5位入賞しました。この時に登場したのは子猫やオウムですよね。次回作、『星をつなぐ手桜風堂ものがたり』を読んだらまたここで紹介します。すごく楽しみです。
で、今回の『百貨の魔法』が、2018年の本屋さん大賞にノミネートされ9位入賞しました。
どのお話も物語に存在感を動物たちが思いっきり発揮しています。
百貨の魔法は、感動した話なんだけど、だけど、こんなに素敵な偶然が続くんだなって・・・・・・・・ドラマチックすぎないか?良い人、良い子ばっかり出てこないか?問題がこんなに早く解決するものなのか?なんて斜めな感想も持っていたのですが、
児童文学作家さんなんだなーって考えたら、このストーリーが最高だなって思えてきました。
なんなんだこれは。
あーここで働いているスタッフの温かい視線がとても心地よいんです。
子ども視点で読むとこんなに見守られていると安心感と幸福感で心が満たされるからかもしれません。
読み手の心に何かしらひっかかるお話で、そして、私の心を清らかにしてくれた小説でした。
良かったら読んでみてください。
それでは、また。